日韓ショートクルーズが映す“対馬経済”の実態! 「韓国人観光客依存」と人口減少が浮かび上がらせる島の課題とは
韓国・釜山と対馬を結ぶ高速船の再開で、対馬の韓国人観光客数は年19万人に回復した。人口2.5万人の離島経済は、江戸時代の朝鮮通信使以来、日韓交流に大きく依存しており、現代も国境の島の生き残りを映す。
令和の通信使航路

この夏、ある旅行雑誌の企画で韓国・釜山と長崎県の対馬を訪れた。取材の最大の目的は、韓国パンスターラインが2025年4月に就航させた新造船「パンスターミラクル」(大阪~釜山)の紹介だった。旅程には、同社が釜山と対馬間で運航する高速船「パンスター対馬リンク」の乗船取材も含まれていた。
大阪、釜山、対馬。この3つの地名を並べると、江戸時代に李氏朝鮮から派遣された朝鮮通信使のことを思い出す。通信使は将軍代替わりのたびに送られた。総勢500人ともいわれる使節団は漢陽(現ソウル)を出発し、釜山から通信使船に乗って対馬、相島(福岡)、下関を経由し、瀬戸内海の各港(鞆の浦・牛窓・兵庫など)に寄港しながら大阪に上陸した。その後、川御座船に乗り換えて淀川をさかのぼり京都へ。さらに陸路で江戸に向かい、幕府からの返書を受け取ると、祖国に持ち帰った。
朝鮮通信使は12回派遣されたが、外交交渉や接待役として重要な役割を果たしたのが対馬藩だった。
今回の大阪~釜山~対馬の船旅は、朝鮮通信使の海の道をたどる旅でもある。管見の限りではあるが、「令和の通信使船」ともいえるパンスター2隻の船旅と、日韓のはざまに生きる島の現在をレポートしたい。