日韓ショートクルーズが映す“対馬経済”の実態! 「韓国人観光客依存」と人口減少が浮かび上がらせる島の課題とは
韓国・釜山と対馬を結ぶ高速船の再開で、対馬の韓国人観光客数は年19万人に回復した。人口2.5万人の離島経済は、江戸時代の朝鮮通信使以来、日韓交流に大きく依存しており、現代も国境の島の生き残りを映す。
国境島の人口空洞化

筆者にとって対馬は初訪問だった。初めて目にしたのは厳原の町並である。厳原港のターミナルを出て中心街に向かうと、「国境の島 対馬」と書かれた縦長の看板が観光客を迎える。漢字とひらがなの横にはハングル文字がルビのようにふられていた。
10分ほど歩くと、対馬観光物産協会「ふれあい処つしま」、対馬市交流センター、警察署、郵便局、銀行、そして14階建ての高層ホテルが集まるエリアに出た。日本の地方都市にありがちな風景が広がっている。離島、それも国境の島でありながら、寂寞としたイメージは当てはまらない。
ただし、明らかに他都市と異なる点もある。猛暑の中、街で見かけるのはほぼ韓国人観光客だった。厳原市内には居酒屋が多く、筆者がとった2回の夕食もすべて韓国人旅行者であふれていた。ある店では囲炉裏型のテーブルに通されたが、同席者は全員韓国人だった。コンビニやスーパー、宿泊したホテル(東横イン)でも同様の光景が広がっていた。
一方で、島民はお年寄りと高校生までの若者しか見かけなかった。働き盛りの世代はほとんど見当たらない。厳原が属する対馬市の人口は、2025年7月1日時点で2万5423人。5年前の国勢調査(2020年)より3000人減少している。島民の減少はこの20年間で毎年600~800人ペースで進んでいる。昨年は1200人が島外に流出したという。
コロナ禍が猛威を振るった2020年から22年までの3年間では、島外への流出の大多数を若い世代が占めた。通りすがりに目に映った「空洞化」は、あながち思い込みではない。もはや対馬の経済は、韓国人旅行者なしには成り立たないのではないかと感じさせられた。