「民営化」至上主義の再考を 荒川線・あらかわ遊園が教えてくれる地域活性化のヒント

キーワード :
, , ,
東京都荒川区の「あらかわ遊園」がリニューアルオープン。同園はこれまで、都電荒川線との相乗効果により来街者が増えてきた。

荒川区が運営する「あらかわ遊園」

リニューアルされたあらかわ遊園。コロナ禍のため、現在は入園に事前予約が必要(画像:小川裕夫)
リニューアルされたあらかわ遊園。コロナ禍のため、現在は入園に事前予約が必要(画像:小川裕夫)

 2022年4月21日、東京都荒川区に所在する「あらかわ遊園」がリニューアルオープンした。同園は2018年11月末をもって一時的に閉園。長い歳月をかけて施設改修などが実施されていた。

 今回のリニューアルによって、あらかわ遊園は以前より規模を大きくした。それでも東京ディズニーリゾートやユニバーサル・スタジオ・ジャパンといったテーマパークには遠く及ばない。

 近年、遊園地・テーマパークといったレジャー施設は大規模化するトレンドにあり、小規模な遊園地・テーマパークは大型のテーマパークに淘汰(とうた)されている。しかし、あらかわ遊園は小さなローラーコースターや小動物と触れ合える広場、釣り堀といった遊具・遊戯施設を整備し、遊園地・テーマパークの大型化という流れにくみしない。

 なぜなら、荒川区があらかわ遊園を単なる子どもたちの遊び場と位置付けるのではなく、子育て支援施設と位置付けているからだ。

 名称こそ遊園とついているが、あらかわ遊園は法的には

「都市公園」

に位置付けられている。少し細かい話だが、あらかわ遊園は無料で遊べる“公園”部分と入園料を必要とする“遊園地”部分に分けられている。

 荒川区役所には、あらかわ遊園を専門的に管轄する荒川遊園課という部署がある。ほかの公園は防災都市づくり部土木管理課が所管しているにも関わらず、荒川遊園課は子ども家庭部に属する。こうした組織体系を見ても、荒川区があらかわ遊園を子育て支援施設と位置付けていることがうかがえる。

 あらかわ遊園は荒川区が運営する遊園地だが、荒川区民でなくても利用が可能だ。そのため、週末や長期休暇中は近隣の区や隣接する埼玉県からの来園者も少なくない。そうした区外からの来園者の多くは、都電荒川線に乗り最寄りの電停である荒川遊園地前で下車する。

 言うまでもなく、都電荒川線は都営だから、あらかわ遊園と事業主体は異なる。それでも、都電荒川線があらかわ遊園に相乗効果を発揮している。