「民営化」至上主義の再考を 荒川線・あらかわ遊園が教えてくれる地域活性化のヒント

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東京都荒川区の「あらかわ遊園」がリニューアルオープン。同園はこれまで、都電荒川線との相乗効果により来街者が増えてきた。

求められる官の取り組みの再評価

あらかわ遊園前を走る都電荒川線(画像:小川裕夫)
あらかわ遊園前を走る都電荒川線(画像:小川裕夫)

 しかし、これがけがの功名になる。多品種のバラが混在して咲く様子が、かえって好評を博した。前述したように、管理されたバラ園は美しい。美しく咲き誇るバラは魅力的だが、逆に混在して咲くバラもめったに見ることができない光景だとして珍重されるようになったのだ。

 都電荒川線沿線のバラは有名になり、現在はバラ最盛期のゴールデンウィーク前後に荒川区がバラ市のイベントを実施するほどになった。もはや荒都電沿線のバラは荒川区民の財産と言っても過言ではない。

 昨今、もうかる・稼ぐといった経済効率が最優先される社会風潮が強まっている。あらかわ遊園も都電荒川線も、どちらも経営的にもうかっているとは言いがたい。収支だけを考えるなら、民営化してしまった方が手っ取り早いかもしれない。

 しかし、収支だけで行政が動いていたら都電荒川線のバラ植栽も子育て支援を兼ねたあらかわ遊園のようなレジャー施設も即座に廃止されていただろう。民間企業のように、経済効率の論理だけでは動かない行政だから可能だったのかもしれない。

 小泉純一郎内閣が掲げた

「官から民」
「民間にできることは民間に」

という考え方を否定するものではないが、まちづくりには目先の利益だけを追うのではなく、長期的な取り組みで地域や社会全体を活性化させていく姿勢も必要になるだろう。

 そうした長期的な目線に、官の役割は欠かせない。近視眼的な捉え方ではなく、官の取り組みを再評価する時期にきているのかもしれない。

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