「カーシェア付きマンション」は成功か失敗か? 空き率15%の都市部駐車場「約3割」現実から考える

キーワード :
, ,
都市部マンションの駐車場空き率は平均15%超。収益化と居住者利便性を両立する「カーシェア付きマンション」が注目され、31,235ステーション・会員469万人の拡大市場で成功の条件が問われる。

居住者満足度の拡大

マンション居住者専用のカーシェアサービス(画像:コロンビア・ワークス)
マンション居住者専用のカーシェアサービス(画像:コロンビア・ワークス)

 カーシェア付きマンションの成果を評価するうえで、「利用者満足度」は重要な指標である。

 大和ライフネクストは2021年秋、都内の分譲マンション3棟で実証実験を開始した。入居者からは「子どもの習い事の送り迎えに活用できて助かる」との声が寄せられ、利便性が高く評価されている。

 さらに「週末に郊外の大型スーパーまで出かけやすくなり、暮らしの幅が広がった」という感想もある。サービスは従来型カーシェアに比べ、

「所有に近い使い勝手」

を実現していることが浮き彫りになっている。

 高い評価の背景には、居住者限定のクローズドな仕組みがある。マンション居住者限定サービス『ふらっとカーシェア』では、1台を5世帯で共同利用するため予約競合が少ない。生活車両に近い使い勝手を提供できる。料金も月額定額制など明瞭で、セカンドカー代替としての魅力を高めている。

 タイムズ24が2017年に行った調査でも、マンション内カーシェアの有効性が示されている。集合住宅にカーシェアが設置されていることで、80%が「物件満足度の向上に影響した」と回答。45%が「入居決定の後押しになった」と答えている。

 特に単身赴任者では50%超が高評価だ。マイカーを持ち込めない状況でもカーシェアが利用でき、ライフステージの変化に柔軟に対応できることが認識されている。

全てのコメントを見る