「カーシェア付きマンション」は成功か失敗か? 空き率15%の都市部駐車場「約3割」現実から考える

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都市部マンションの駐車場空き率は平均15%超。収益化と居住者利便性を両立する「カーシェア付きマンション」が注目され、31,235ステーション・会員469万人の拡大市場で成功の条件が問われる。

駐車場空き率の危機

マンションの駐車場の空き率が問題に…(画像:写真AC)
マンションの駐車場の空き率が問題に…(画像:写真AC)

 現在のマンション駐車場を取り巻く状況は、大きく変化している。全国的に世帯当たりの自家用乗用車普及台数は緩やかに低下している。

 自動車検査登録情報協会が発表した「自家用乗用車の世帯当たり普及台数(都道府県別)」(2025年3月末)によると、

・東京都:0.410台
・神奈川県:0.670台
・大阪府:0.616台

である。都市部の普及水準が低く、全国平均を押し下げている実態がある。

 都市部では駐車場の空き率問題が顕著になっている。附置義務の見直しなど、需給調整の動きも見られ、駐車場の使われ方は変化している。

 大和ライフネクストの調査によると、管理会社が受託する物件のうち、駐車場空き率が15%以上のマンションは約3割、30%以上の空きがあるマンションも約1.5割存在する。駐車場収益の損益分岐点の目安が空き率15%である点も注目される。

 こうした状況下で、管理組合は空き駐車場の有効活用策を模索している。そのひとつが

「カーシェア付きマンション」

だ。空き駐車場を有効活用し、収益改善を図ると同時に居住者の利便性も向上させる取り組みである。だが、果たして成功できるのか――。

 本稿では、実際の導入事例や直面する課題を踏まえ、「カーシェア付きマンション」の成功に必要な要因を分析する。

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