「養老線」存亡の危機! 人口1.8万の町が赤字線救済に挑戦――町民も巻き込む驚きの窮余策とは
岐阜県南西部の神戸(ごうど)町が町内を走る養老線への支援金を捻出するため、クラウドファンディングで資金募集を始めた。財政力が弱い小規模地方自治体の窮余の一策だ。
小規模自治体に重い負担

神戸町はバラなどの花き類や小松菜など葉物野菜の産地として知られ、町内のあちこちでビニールハウスが見られる。高度経済成長期から工場誘致にも力を入れ、東レ、三菱マテリアルなどの工場が点在する農業と製造業の町だ。
クラウドファンディングで寄付金集めを始めた背景には、財政の先行きに明るさが見えないことがある。養老線は2018年から路線維持のため、沿線7市町が設立した養老線管理機構が施設を保有し、養老鉄道が運行に専念する上下分離方式を採用している。施設の維持管理費を含めた7市町の負担は毎年約8億円に及ぶ。
負担は7市町が均等に負うため、神戸町の年間負担は2024年度で約1億3000万円に上った。2025年度は国の補助事業の地元負担などを加えた約2億円を予算計上している。神戸町の2025年度一般会計当初予算は約88億円。沿線7市町で予算規模が最も小さいだけに、養老線維持に向けた負担は決して軽くない。
神戸町の人口は約1万8000人。2005年に約2万1000人を記録したあと、緩やかな減少に入っているが、国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2050年に1万2000人余りまで減る見込み。特に税収を担う15~64歳の生産人口は、2020年の約1万600人が2050年で約5900人にほぼ半減するとされている。
総務省によると、毎年の行政支出に必要なお金をどれくらい自力で調達できているかを表す財政力指数は、2023年度で0.63。全国平均の0.48を上回り、問題ない水準だが、養老線管理機構への億単位の支出は毎年続く。人口減少にともない、乗客が減り続ければ、町の支援もいつか限界が来る。