トラックステーション10年で「4割減」の衝撃! 物流危機&ニーズ増なのになぜ?――もはや民間参入は必須なのか

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長距離トラックの駐車・宿泊需要は増加傾向にある一方、国内トラックステーションは10年で55→32拠点に減少。米国のチェーン型高収益モデルを参考に、民間主導による整備拡大と規制緩和が喫緊の課題となる。

日米の違いを生む背景

カナダ、アルバータ州カルガリーにあるHuskyのトラックストップ(画像:Paul Jerry)
カナダ、アルバータ州カルガリーにあるHuskyのトラックストップ(画像:Paul Jerry)

 最大手のパイロット・フライングJ社は、著名投資家ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハザウェイの投資先としても知られる。同社は2017年以降、数回に分けて株式を取得され、現在は完全子会社となっている。買収総額は約136億ドル(約2兆円)とみられる。

 現在、パイロット社は非公開企業であるため詳細な財務状況は不明だ。しかし、バークシャーが取得した2017年時点で売上高は

「200億ドル(約2.9兆円)」

に上っていた。拠点数の多さを考慮しても、高い収益基盤を有しているといえる。この収益構造は日本のトラックステーションと大きく異なる。米国ではトラックドライバー向けを中心に多様なサービスを展開し、高い収益力を確保している。

 もちろん、米国の高収益には社会環境や法制度の違いも影響している。日米とも物流の主役はトラックであるが、米国では千kmを超える超長距離輸送を、セミトレーラ主体の大型車両で行う。また、多重下請けが少なく、個人ドライバーが直接仕事を請け負う形態が多いことも、ドライバー向けサービス提供にプラスとなっている。

 高速道路料金制度の違いも大きい。日本は高速の出入りで料金が加算されるため、サービスエリア・パーキングエリアなど高速道路上の施設で駐車するしかない。しかし米国は大部分の高速道路が無料で、有料道路から自由に出入りできる。これにより一般道に降りてトラックステーションを利用するハードルが低い。

 余談だが、日本でも高速料金の上乗せを避けるケースがある。ETC2.0車載器を付けた車両が、高速をいったん降りて道の駅に立ち寄り、2時間以内に戻る場合に限り追加料金がかからない実証実験である。制度をトラックステーションに適用すれば、活性化につながる可能性がある。

 制度面では都市計画上の規制も課題だ。トラックステーションは

「高速道路インター周辺」

に設置するのが望ましい。しかし日本の都市計画法では、インター周辺が「市街化調整区域」とされ、建物建設が制限される場合が多い。この立地規制もハードルとなる。

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