ダイハツの新サブスク「ツキノリ」は本当に成功する? 月額2.5万で1000km制限――若者のクルマ離れ防げるか
若年層の車離れ、上昇する維持費──クルマを取り巻く構造変化の中、月額2.5万円から利用できる認定中古車のサブスク「ツキノリ」が本格始動。ダイハツ独自の供給網を武器に、リースでもカーシェアでもない“第三の選択肢”として、日本のモビリティ市場に一石を投じる。
月額定額で使う中古車

ダイハツ工業は2025年7月15日、認定中古車を月額定額で利用できるサブスクリプションサービス「ツキノリ」の本格展開を開始すると発表した。全国27都道府県の販売会社を通じ、順次展開を広げていく。
認定中古車とは、メーカーや正規ディーラーが独自基準で点検・整備を行い、一定の品質を保証した中古車のこと。新車に準じた安心感を提供する点が、一般的な中古車との違いだ。
ツキノリは2023年4月に兵庫県で試験的に始まり、2024年11月には新潟県にも拡大した。契約対象は個人に限定され、利用期間は1か月から11か月まで選べる。月額料金は2万5000円からで、保険、メンテナンス、税金などの諸費用がすべて含まれる。
背景にあるのは、クルマの使い方に対する価値観の変化だ。これまでの
・購入
・長期リース
・時間単位のカーシェア
に対し、ツキノリは「月単位の柔軟な利用」を可能にする中間的なモデルを打ち出す。
車を所有せず、必要なときだけ使いたいという需要は確実に増えている。ツキノリは、そのニーズと既存サービスの隙間を埋める手段として注目される。ダイハツの中古車供給力と整備体制を背景に、コストパフォーマンスと利便性を両立する仕組みとして市場の反応が期待される。