ダイハツの新サブスク「ツキノリ」は本当に成功する? 月額2.5万で1000km制限――若者のクルマ離れ防げるか
若年層の車離れ、上昇する維持費──クルマを取り巻く構造変化の中、月額2.5万円から利用できる認定中古車のサブスク「ツキノリ」が本格始動。ダイハツ独自の供給網を武器に、リースでもカーシェアでもない“第三の選択肢”として、日本のモビリティ市場に一石を投じる。
若年層の車離れの実態

ツキノリの本格展開の背景には、日本の車両保有制度や保険制度の制度疲労があると考えられる。若年層の車購入意欲は低下しており、特に20代の新車購入率は約53%にとどまる。
保険料や車検、税金といった車の所有コストは年々上昇している。自動車ローンの金利も上昇傾向にあり、ローン審査では信用スコアの重視が強まっている。結果として、ローン契約のハードルは一段と高くなった。
さらに都市部では地価高騰にともない駐車場代も増加し、維持費全体を押し上げている。こうした環境下で、車を所有しない層の間には
「所有リスクは負いたくないが、交通手段は確保したい」
というニーズが拡大している。さまざまな利用サービスの普及により、車は「購入するもの」から「必要なときに必要なだけ使うもの」へと価値観が変化しつつある。
ツキノリは従来の所有か非所有かという二項対立を超えた、
「第三の選択肢」
を提示した点で意義が大きい。こうした中間モデルは、車の使い方に柔軟性をもたらし、多様化するライフスタイルに対応するものだ。