ダイハツの新サブスク「ツキノリ」は本当に成功する? 月額2.5万で1000km制限――若者のクルマ離れ防げるか
若年層の車離れ、上昇する維持費──クルマを取り巻く構造変化の中、月額2.5万円から利用できる認定中古車のサブスク「ツキノリ」が本格始動。ダイハツ独自の供給網を武器に、リースでもカーシェアでもない“第三の選択肢”として、日本のモビリティ市場に一石を投じる。
利用制限とリスクの現実

ツキノリの利用には複数のメリットがある。まず、ダイハツ認定の中古車が用いられ、一定の品質が担保されている点だ。初期費用が不要で、保険やメンテナンスを含むパッケージ料金で手軽に利用を開始できる。車両の引き渡し時以外は来店の必要がなく、利便性も高い。
一方、利用にあたっては注意すべき制約やリスクも存在する。法人利用は認められておらず、12か月を超える長期利用は不可だ。軽自動車が中心で車種の選択肢は限られている。保険補償の範囲や自己負担額の詳細が明示されていない点も不透明感を残す。決済はクレジットカードのみで、信用スコアが審査基準となるため利用者層が限定されやすい。
さらに、走行距離は1か月あたり1000kmに制限されている。超過した場合は1kmあたり5円(税込)の追加料金が発生する。利用者は走行距離管理にも注意が必要だ。
中古車のサブスクリプション化においては、
「在庫車の質と量」
が成否のカギを握る。一定の品質基準を維持しつつ、多様な顧客ニーズに応えられるラインナップを安定的に確保できるかが問われる。