滋賀県内でも賛否の嵐? 全国初の「交通税」導入は疲弊する公共交通の起爆剤となりえるか
滋賀県は、全国初の「交通税」導入に向けて本格的な議論を始めた。地域を走るバス・鉄道の維持費用を税金で賄おうというもの。しかし県内でも賛否が分かれている。
構想が生まれた背景

2010年代後半から、バス路線も再編や廃止が相次いでいる。
県内の多くの自治体では
・路線の再編
・乗り合いタクシーへの切り替え
が盛んに実施されている。
県内では、これまでも交通弱者の足を確保するためにコミュニティーバスが導入されたものの、利用者が少なく廃止。その後、乗り合いタクシーに切り替えて復活した例もある(『読売新聞』2020年12月1日付朝刊)。
少子高齢化を迎えて、交通弱者の足を確保するために自治体の負担は、さらに増えると見込まれている。こうした中で、交通税の構想は登場した。
具体的には
・県民税
・固定資産税
に上乗せする方式で行われるが、その導入には県内でも賛否が分かれている。三日月知事は2022年7月の滋賀県知事選に立候補を表明しており、導入はこの結果によって決定づけられそうだ。
公共交通の維持を目的に税金を徴収する構想は、これまでも何度も検討されてきた。1997(平成9)年9月には、当時の三塚博蔵相が道路・鉄道・交通など交通機関の利用者全体に負担を求める「総合交通税」の創設を検討していることを明らかにしている。この目的は旧国鉄の長期債務27兆8000億円であった(『毎日新聞』1997年9月12日付夕刊)。
しかし具体的な検討が行われたものの、利用者に負担を求めることに事業者も反発し頓挫している。
その後、海外では鉄道・バス路線維持のために税金が徴収されていることが紹介されたが、本格的な議論は実施されなかった。なぜなら今回の滋賀県のように既存の税金に上乗せする方式を採っても実質的な増税には変わらず、有権者の反発を買うことが必至だったからだ。