廃止を避けるために減便も 危ぶまれる地方交通、北海道「沿岸バス」に乗って体感してきた

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全国で廃止が続く路線バス。廃止を避けるために更なる減便が求められているのが現状だ。今回は、北海道北部の現状から路線バスの今後を考える。

約4%が廃止された路線バス

北海道北部を走る沿岸バス(画像:碓井益男)
北海道北部を走る沿岸バス(画像:碓井益男)

 全国にある路線バスの赤字は大きい。「過疎化」「都市部への人口集中」「モータリゼーションの進展」など、その背後には複合的な理由が存在し、路線の廃止が続いている。2019年の国土交通省の資料によれば全国の路線バス事業者の69%は赤字。2007(平成19)年度以降の路線バスの廃止キロ数は、全体の3.5%にあたる1万3991kmとなっている。

 高齢者による自動車事故はたびたび報道されているが、公共交通機関がないために自動車を使わざるを得ない地域も各地に存在しているのだ。そうした路線の運行を維持するため、国や地方自治体が補助金を出している。

 今回はそうした路線のひとつ、北海道北部を走る沿岸バス(北海道羽幌町)の羽幌留萌線を取り上げる。

 羽幌留萌線は、宗谷本線の豊富(とよとみ)駅前から留萌市の留萌市立病院前までをつなぐ全長148.3kmに及ぶ路線だ。路線バスの最長路線は、奈良県の大和八木駅前と和歌山県の新宮駅前を結ぶ八木新宮線の169.8kmだが、停留所数は八木新宮線が168か所なのに対して、羽幌留萌線が169か所と最大となっている。

 この路線の大きな特徴は、現在でも「旧国鉄羽幌線代替バス」ということだ。羽幌線は留萌本線の留萌駅から北へ羽幌を経由して、宗谷本線の幌延駅までを結んでいた鉄道路線。中央部を北に向かう宗谷本線に対して海沿いの町を結んでいたが、人口減よって1987(昭和62)年に国鉄分割民営化前に廃止された。

 その経緯もあって今も「国鉄」の代替となっているわけだが、公共交通機関の自負を感じられる。

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