なぜマツダは「国内市場」を強化するのか? 全販売のわずか「1割強」なのに──トヨタ技術との共存、今後どうなる

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マツダは2024年度にグローバル販売130万台超、うち米国で43万台と約3割を占める。米国依存のリスクを背景に、国内市場を単なる販売拡大ではなく構造改革の場と位置づける。新型ハイブリッドの投入や販売網再編を軸に、顧客体験の質向上と安定経営を目指す挑戦の全貌に迫る。

国内再成長への布石

マツダのロゴ(画像:EPA=時事)
マツダのロゴ(画像:EPA=時事)

 マツダは2025年6月19日、「国内ビジネス構造変革の方針」を公表した。狙いは、日本市場におけるビジネス基盤の強化と再成長の実現にある。

 2024年度のグローバル販売台数は130万3000台。北米市場は61万7000台で、全体の約5割を占めた。このうち米国販売は43万5000台。北米市場の約7割に達し、マツダ全体でも3割超を占める。米国市場への依存は極めて高い。

 一方、国内販売は15万2000台にとどまった。全体のわずか1割強に過ぎない。この依存度の低い国内市場を、あえて強化するマツダの意図はどこにあるのか。

 本稿では、マツダが掲げたのが単なる国内販売強化ではなく「構造変革」である点に注目する。その背景には、米国による自動車追加関税のリスクも見え隠れする。政治と企業戦略が交錯する実例として、その本質に迫る。

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