「そりゃ減るわけがない」 トラック「荷待ち・荷役時間」わずか1分減の現実――国交省「いじめっ子放置」政策が生んだ致命的盲点とは
2024年、大きな話題となった「物流の2024年問題」。あれから1年が経ち、さまざまな結果が見えてきた。たとえば、国土交通省の調査によれば、トラックドライバーの荷待ちや荷役の時間は、ほとんど変わっていないという。
国目標に届かぬ現場実態

「2020年度に比べ、トラックドライバーの平均拘束時間は12時間26分から11時間46分と40分減少したものの、荷待ち・荷役時間は3時間3分から3時間2分へと1分しか減少していない」
これは、2024年9月から11月にかけて国土交通省が実施した調査の結果だ。
2024年、「物流の2024年問題がヤバい」と大きく騒がれた。政府も物流革新に向けた政策を打ち出した。その成果が、これである。拘束時間はある程度減ったが、荷待ち・荷役時間が
「1分」
しか減っていないというのは、あまりに情けない。なにしろ、国は2023年6月に、荷待ち・荷役時間を3時間から2時間に減らすという目標を掲げていた。にもかかわらずだ。
政策の効果が出ていない。そういわざるを得ない残念な結果である。同時に、筆者(坂田良平、物流ジャーナリスト)としては「だから言わんこっちゃない」という思いもある。