『ドラえもん』に登場した「空き地」はなぜ消えたのか?──昭和時代まで日常だった“余白のある”風景の終焉とは
- キーワード :
- まちづくり
ドラえもんの「土管のある空き地」はなぜ消えたのか? 1970年代まで日常だった風景が、なぜ現代都市から姿を消したのか。地価の4倍超高騰、471の自治体が定める「空き地条例」の背景に迫る。
消滅した風景

アニメ『ドラえもん』に登場する昭和風の遊び場、土管のある空き地は、もはや現実には存在しない空想の産物だ。建物が建つ予定もなく、柵がわずかにある程度で管理もされていない。近隣住民が自由に使っている場所など、2025年現在ではほとんど見つからない。
しかし、こうした「使われていない空間」は、1970年代頃までは都市の日常風景として当たり前に存在していた(『ドラえもん』の連載開始は1969年12月)。今では奇跡のように思えるその光景は、なぜ失われてしまったのか。