「EV積載船」が再び炎上、そして沈没! 計70台、原因は? 海上物流はもはや「危険なギャンブル」になったのか

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EVを積んだ自動車運搬船が沈没──再び問われる海上輸送の構造的脆弱性。3048台のうちEVは70台。大量輸送の経済性が火災リスクを高める今、競争軸は「安全に届ける」構造改革へと移りつつある。

火災と沈没が暴いた海運リスク

自動車運搬船「モーニング・ミダス」(画像:Sam Croft)
自動車運搬船「モーニング・ミダス」(画像:Sam Croft)

 太平洋を航行していたリベリア船籍の自動車運搬船「モーニング・ミダス」が、アラスカ沖で沈没した。積載されていた車両は計3048台。このうち電気自動車(EV)が70台、ハイブリッド車が681台を占めていた。

 出火は6月3日。デッキから煙が噴き上がり、乗組員22人は全員退避した。その後、火災は収まらず、6月23日に船体は完全に水没した。長引く炎上と悪天候による浸水が原因である。

 火災の発生源は特定されていない。EVだったかどうかも不明である。ただし、リチウムイオン電池による爆発や有毒ガスの発生が懸念され、消火活動は大きな困難をともなった。

 EVの本格普及が進むなかで、輸送インフラの脆弱性がまたひとつ、海底に沈んだ。

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