なぜマツダは「国内市場」を強化するのか? 全販売のわずか「1割強」なのに──トヨタ技術との共存、今後どうなる
マツダは2024年度にグローバル販売130万台超、うち米国で43万台と約3割を占める。米国依存のリスクを背景に、国内市場を単なる販売拡大ではなく構造改革の場と位置づける。新型ハイブリッドの投入や販売網再編を軸に、顧客体験の質向上と安定経営を目指す挑戦の全貌に迫る。
国内販売比率の現状分析

マツダの電動化ロードマップは、国内の燃費規制やユーザーニーズを踏まえ、ラインナップと価格帯を再設計している。ハイブリッド車(HV)については、2027年から次期CX-5に自社技術を投入する一方、トヨタからのエンジン供給も継続する。マイルドハイブリッドはタイ生産の小型SUVに、プラグインHVは大型SUVに導入する計画だ。
一方、欧州で展開しているディーゼルエンジンの扱いも注目される。マツダは欧州で販売する「CX-60」などにディーゼルエンジンを搭載している。日欧で環境規制の基準は異なるが、国内市場でもディーゼル車を選択肢として残すかどうかが焦点となっている。マツダは電動化とHVの共存を前提に技術ロードマップを推進している。
日本メーカーの2024年度国内販売比率を見ると、最も高いダイハツが32%で、他メーカーは1割から2割程度でマツダとの差は小さい。トヨタはマルチパスウェイ戦略を進めつつ、KINTOによるサブスクリプション事業も軌道に乗せ、2025年3月期に創業以来初の黒字を達成した。
スズキの国内販売台数は約71万台でトヨタに次ぐ第2位。国内比率は22%と比較的高く、今後も国内市場を重視する方針だ。
地方と都市における販売分布には変化の兆しが見られる。車が生活必需品の地方ではリセールバリュー(再販価値)が一定水準で維持される。一方、都市部では車種によってリセールバリューにばらつきが生じ、地理的格差が広がっている。メーカー各社はこうした格差を踏まえ、販売網の再構築を迫られている。
人口減少や高齢化を背景に国内市場を先細り市場と見るべきではない。「設計し直す市場」として再定義し、取り組むことで活性化の余地は十分に残されている。