「大災害」デマで香港便が消えた! 徳島・米子空港、SNSが残した地方創生への深すぎる傷跡
徳島~香港便の5月搭乗率22%

SNSでブームとなった2025年7月5日の「大災害」予言で徳島、米子両空港の香港便が運休することになった。予言は外れたが、国際定期便を失った地方には徒労感が広がる。
白い機体に青い尾翼をつけた香港発グレーターベイ航空のボーイング737-800型機が、予定より約30分遅れで滑走路に降り立つ。188席の旅客機なのに、入国手続きを終えて到着ロビーを出てきた乗客を数えると20人足らず。日本に壊滅的な災害が起きると予言された当日の7月5日午後、徳島空港(徳島県松茂町)香港便は閑散としていた。
ロビー警備の男性は「ほんまにきょうは少ないな」。空港ロビーでレンタカーを借り、急いで商談先へ向かうビジネスマンの後ろを、幼子の手を引いた家族連れが大きなキャリーケースを引きずって歩いてくる。家族連れの父親は「予言は信じていなかった。変な世のなかになったね」と笑っていた。
運航会社は香港の格安航空会社・グレーターベイ航空。日本では、徳島空港だけでなく、成田(千葉県成田市)、関西(大阪府泉佐野市など)、仙台(宮城県名取市など)、米子(鳥取県境港市)の4空港にも乗り入れている。徳島空港には2024年11月に就航し、週に3往復していた。
当初、搭乗率は55%程度で推移していたが、7月5日の予言が香港で広がったことから、搭乗率が低下して5月12日から週2往復に減便した。5月の搭乗率は損益分岐点を大きく下回る22%。予言の日が近づくなか、香港でさらに日本行きを避ける動きが強まり、米子空港の香港便とともに9月から運休することになった。
徳島県の後藤田正純知事は「科学的根拠のない風評被害で運休になるのは残念。運航再開は訪日客需要の回復状況を見ながら協議したい」、鳥取県の平井伸治知事は「秋以降どうしていくのか、(航空会社と)パイプを保ちたい」とコメントした。