「EV失速」は本当? 世界28%増の陰で日本が「その他」扱いとなる根本理由――見過ごされた「CAFE規制」の決定的弱点
2024年以降、日本のEV市場は「失速」と報じられるが、世界全体では前年比24%増の成長が続く。日本は緩やかな燃費基準でEV普及が遅れ、輸入車が8割を占める。国際競争力維持には制度改革とインセンティブ強化が急務だ。
常套句化する懸念要素

2024年春以降、日本のメディアは「電気自動車(EV)失速」という言葉を頻繁に使い、EV市場の減速を繰り返し報じてきた。テスラや比亜迪(BYD)など大手EVメーカーの販売減少を、その象徴として取り上げる例が目立った。ただし、それは一面的な切り取り報道であったことも否定できない。
現在もなお、多くのメディアはこれを既成事実として扱い、販売の伸び悩みを強調する一方で、ハイブリッド車(HV)やエンジン車の延命を有効な対策とする論調が目立つ。EV普及を妨げる要因としては、
・車両価格の高さ
・航続距離への不安
・充電インフラの不足
・バッテリーの安全性
などが挙げられ、もはや決まり文句のように繰り返されている。
だが、これらの課題は日本固有のものではない。多くの国や地域が同様の障壁を抱えながらも、EVの普及を着実に進めている。実際、世界全体ではEV市場は成長を続けており、地域ごとの販売データを見ると、EV導入の地政学的な偏りも浮かび上がってくる。
これまで、日本でEVが普及しない理由については深く掘り下げられることが少なく、表層的な分析にとどまっていた。本稿では、世界的に成長を続けるEV市場の実態を検証し、日本で普及が進まない根本的な要因に迫る。