もはや「バス」とは呼べない? 赤字96%のバス会社が生き残る“巨大な箱”戦略とは?「人を運ぶだけ」ではもはや限界か
バス事業の約96%が赤字に陥る中、単なる輸送手段としての限界が明確化した。だが、「巨大な箱」としての車両空間を活用し、移動型店舗や移動式サウナ、移動レストランなど多様な収益モデルを構築する事例が増加している。新たな顧客体験を創出し、地域社会の課題解決と事業安定化を両立させる発想の転換が急務である。
バスの伝統的認識とその限界

多くのバス事業者は、バスを単なる移動支援の手段と捉えている。安全で安心な移動を提供すれば、それで役割は果たしているという考え方だ。
だが、バスの車両は単なる移動装置ではない。
「巨大な箱」
であり、空間そのものである。人を運ぶだけで収益を上げるのはきわめて難しく、すでに限界に近い。現実として、バス会社の約96%が赤字に陥っている。
・モータリゼーションの進行
・コロナ禍
・2024年問題
これらの要因が重なり、事業の回復や収益改善は見通しにくい。
いま求められているのは、バスという「巨大な箱」を停車中でも収益源として活用する新たな方法論である。空間をどう生かすか。その発想の転換が、事業継続のカギとなる。