「何のための特区民泊や!」 “中国人街”化する大阪・西成――インバウンド急増で崩れる住民の日常生活とは

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大阪市は全国の9割以上が集中する特区民泊の新規受付停止を決めた。しかし、西成区は街に中国人観光客があふれ、住民がごみの不法投棄や夜中の大騒ぎに怒りを隠さない。住民と中国人の分断は深く静かに進行している。

住民の敷地で花火し、ごみをポイ捨て

ごみ不法投棄に警告を出すマンションの張り紙(画像:高田泰)
ごみ不法投棄に警告を出すマンションの張り紙(画像:高田泰)

 通勤ラッシュが始まろうとしていた10月上旬の朝、民泊施設を出た中国人観光客が続々と天下茶屋駅(西成区)を目指す。南海電鉄で関西空港(大阪府泉佐野市など)へ向かう人がいれば、大阪メトロで次の観光地へ出かける人も。駅前の喧騒にサラリーマンの急ぎ足とキャリーケースを引きずる音が混じる。

 中国・上海から来た20代のカップルは朝8時台の上海便に搭乗するため、南海電鉄ホームで関西空港へ向かう特急「ラピート」を待っていた。

「大阪の街は中国人がなじみやすい。料理もおいしかったから、また来たい」

と笑顔を見せる。

 カップルが宿泊したのは、天下茶屋駅の北にある松地区の民泊施設。市内には7月現在で約6700の特区民泊施設があるが、西成区はその3割近い約1700施設が集まる。松地区は天下茶屋駅に近いこともあり、約0.2平方キロメートルの範囲に50を超す施設が認定されている。

 天下茶屋駅周辺を歩いた。タバコの吸い殻や空き缶が散乱した場所がある。マンションには「不法投棄厳禁」の張り紙があり、監視カメラが作動している。近くの住民(69歳)は

「中国人が夜中まで大騒ぎし、うちの敷地で花火をしてごみを捨てる。文句をいっても言葉が通じず、民泊事業者も出てこない」

と頭を抱えていた。

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