テスラを抜き去った「内製化の怪物」 低価格EVで世界を席巻、完成度の高さが中国車を変えた

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中国BYDが世界のEV市場で首位に立った。2023年の販売は302万台、粗利率23.0%を達成。電池から完成車まで自社生産する垂直統合モデルでコスト優位を確立する一方、海外規制対応や次世代技術開発が今後の成長を左右する。

製造構造で勝つ中国EVの実像

BYD ATTO 3(画像:BYD)
BYD ATTO 3(画像:BYD)

 中国の比亜迪(BYD)が電気自動車(EV)の販売台数で世界一のメーカーである。原動力は、他社が模倣しづらい製造体制にある。電池、半導体、モーター、車体までを自社で手掛ける「垂直統合」モデルだ。この完結型の仕組みがコスト競争力を生み出した。一方で、巨額の設備投資や海外展開の難しさといったリスクも抱える。

 筆者(中嶋雄司、自動車ライター)はかつて東京モビリティショーで小型EV「ドルフィン」に触れた。そのとき、「中国車もここまで来たか」と感じたのを覚えている。国産車とは味付けが異なるが、完成度の低さはほとんど見られなかった。もはや“安かろう悪かろう”の段階は完全に脱している。

 BYDは2023年に年間販売300万台を突破し、世界の新エネルギー車(NEV)市場でテスラを抜いてトップに立った。中国国内では9年連続でNEV販売首位を維持。シェアは33~36%に達し、2位テスラの8%を大きく引き離す。

 成長は2024年も続いた。通期決算では売上高が前期比29%増の7771億200万元(約16兆円)に到達し、テスラを上回った。純利益も34%増の402億5400万元(約8329億円)で過去最高を更新。激しい価格競争のなかでも高い収益力を維持している。

 BYDの快進撃は、低価格戦略ではなく、製造構造そのものを制御する力によって支えられている。

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