「魔が差した」 1000円の着服で退職金1200万円没収! 京都市バス運転手への厳罰主義は正当か? 人材不足の現場にさらなる懸念も
京都市営バスのベテランドライバーが千円着服で懲戒免職、1200万円の退職金も全額不支給に。最高裁は市の裁量を支持したが、過重な処分は人材流出と制度の硬直化を招き、公共交通の持続性に影を落としている。
「裁量」という名の重罰

「魔が差した」――そう語った男性は、京都市営バスのバスドライバーとして29年勤めた職を失い、積み上げてきた1200万円の退職金も全額失った。きっかけは、運賃千円の着服。
最高裁は2025年4月、市による懲戒免職と退職金の全額不支給を
「裁量の範囲内」
として認めた。男性の行為の軽重ではなく、市の判断に合理性があるかが問われた。
果たしてこの結末は、規律を守る社会として妥当なのか。それとも、個人の再起の道すら断ち切る制度的硬直のあらわれなのか。冷静に、制度の構造とその副作用を見つめ直したい。