路線バス会社の「96%」が赤字だった! なぜここまで追い込まれた? あなたの街は大丈夫? 低年収、長時間労働…構造不況からの脱却は可能か?

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バス会社96%が赤字という現実。公共交通崩壊が迫る。運転手不足、高齢化、利用者減が構造不況を招く。抗う術はあるのか。危機的状況を打破する革新のカギを探る。

業界に起きている静かな淘汰

路線バス(画像:写真AC)
路線バス(画像:写真AC)

 2023年12月、大阪府富田林市周辺を営業エリアとしていた金剛自動車が廃業した。このニュースは、バス業界関係者に大きな衝撃を与えた。

 背景には、路線バス事業そのものに将来性が見いだせないという構造的な問題がある。金剛自動車のように、大手私鉄の傘下に属さない独立系バス会社は、そもそも経営基盤が脆弱である。これまでも地方では路線バス事業者の廃業例は見られたが、大阪近郊という都市圏での撤退は、象徴的かつ深刻な事態といえる。

 また、筆者が業界関係者と情報交換を重ねるなかで、2024年問題、運転士の高齢化、給与水準の低下による人材難といった構造的課題が経営継続を一層難しくしていることが見えてきた。

 一部では、京成グループのような系列再編による先手対応、M&A、新興交通企業の地域進出といった動きもある。ただし、こうした施策の効果は現時点で不透明だ。

 最近では、子会社化の効果が薄れ、再び親会社に戻す動きも見られる。いずれの選択肢も簡単ではなく、持続可能なモデルを描けていないのが現実だ。

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