渋谷はもう終了? ホームレスは消え、TikTokerが跋扈する「宮下公園」…誰のための公共空間? Z世代が語る“渋谷らしさ”とは何か?
都市再開発は、誰にとっての「成功」なのか。渋谷のMIYASHITA PARKは、かつてホームレスが集う場から商業施設と一体化した「洗練された空間」へと変貌を遂げた。再開発による賛否の声は今も消えず、「排除か、選択か」を巡る議論は続く。本稿では、都市空間の「ニセコ化」に警鐘を鳴らす谷頭氏の視点を通じて、公共性と経済合理性のせめぎ合いを検証する。
量的評価の超越

谷頭氏は、アンケート調査で再開発後のMIYASHITA PARKについて「エリアイメージが良くなった」と回答した人が50.6%に達したと述べている。
次に、ネオマーケティングが実施した「新しい商業施設に関する意識調査」を見てみよう。この調査では、「周辺エリアイメージの変化」に関する質問が行われ、回答は以下の通りだった。
・とてもよくなった:11.8%
・よくなった:38.8%
・悪くなった:2.0%
・とても悪くなった:1.6%
・変わらない:45.7%
氏は、詳細な内訳を示さず「ポジティブな反応」に焦点を当てることで、調査結果の全体像を歪めて伝えている。実際、最も多い回答は「変わらない」(45.7%)であり、「悪くなった」2.0%と「とても悪くなった」1.6%を合わせると、約半数が「よくなった」と感じていないことがわかる。
この調査は1都3県の20歳~69歳の男女1000人を対象としたウェブアンケートだ。ホームレスや低所得者層の声が含まれていない可能性が高く、インターネット環境のある層に限られる。こうした偏ったデータでは、真の公共性を評価するのは難しい。
また、エリアイメージという曖昧な指標では、公共空間の本質的な価値を測ることはできない。調査では話題性やエンターテインメント性といった商業的な観点からMIYASHITA PARKを評価しているが、公共性や包摂性については考察されていない。
結局、氏は「ニセコ化」論を補強するために、調査の全体像や限界を十分に考慮していない。その背景には、「ニセコ化」への強い諦観があるのかもしれない。