国の描く「ロードマップ」は、本当に実現可能なのか?【短期連載】フィジカルインターネットの課題を考える(4)

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2022年3月8日、経済産業省および国土交通省は、フィジカルインターネット実現に向けたロードマップを発表した。連載最終回となる第4話では、その内容をひも解く。

荷主こそ当事者、そのメリットデメリット

標準規格の海上コンテナのイメージ(画像:写真AC)
標準規格の海上コンテナのイメージ(画像:写真AC)

 PIコンテナに収納できない貨物を製造・取り扱う荷主は、フィジカルインターネットに参画できない。荷主として、フィジカルインターネットを利用できないデメリットは大きい。

 海上輸送では、1968(昭和43)年に海上コンテナがISO規格化され、以降急速に普及した。かつて手積み手卸しやクレーンによる荷役などを強いられていた海上輸送では、海上コンテナ規格が標準化されたことによって、過去50年の間に荷役コストは10分の1になった。

 2040年までに、自社の製品・貨物、もっと言えばサプライチェーンそのものをフィジカルインターネットに適合させられない荷主の物流コストは上昇し、製品は価格競争力を失っていくことになる。

 アクションプランが完成する2030年から、フィジカルインターネットが社会実装されるまでに10年の用意があるのは、このためである。

国のロードマップの“大問題”

 今回公開されたロードマップは、社会実装に向けたスケジュールのみならず、フィジカルインターネットの定義、SDGsとも関連付けたフィジカルインターネットの価値などが掲載されている。

 これまで散在していたフィジカルインターネットに関する情報がまとまっており、物流企業のみならず、荷主側企業も含め、すべての物流関係者にとって、とても有用な情報が詰まっていて、物流関係者必読の資料と言える。

 だが、本ロードマップによって、明らかになった課題もいくつかある。

 筆者がもっとも危惧(きぐ)するのは、フィジカルインターネットを推進する“船頭役”の不在である。

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