和歌山県の鉄道「総崩れ」の危機? 年間30億円の赤字垂れ流し区間も! 人口維持さえ難しい現状、国への要望だけで路線を守れるのか

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和歌山県を走る鉄道は、急激な人口減少と車社会の進行で利用者が減り、危機的な状況に陥っている。特に、利用促進の協議が進められているJRきのくに線の白浜以南は、将来が不安視されている。

人口半減と競争力不足が突きつける現実

串本駅の位置(画像:OpenStreetMap)
串本駅の位置(画像:OpenStreetMap)

 沿線は急激な人口減少が続き、最も人口が多い新宮市で約2万6000人。あとは人口2万人に満たない小規模自治体ばかりだ。串本町やすさみ町、古座川町、太地町、那智勝浦町は2050年に2020年比で人口が半減すると推計されている。普段使いで利用を増やすには限界が見える。

 期待されるのは観光利用だが、高速道路は徐々に紀伊半島南部まで進み、大阪市から所要時間約3時間で最南端の串本町に到達する。料金はETC利用で4000円足らず。これに対し、特急列車はJR大阪駅(大阪市北区)からJR串本駅(串本町)まで約7400円の運賃で3時間半近くかかる。所要時間、交通費とも競争力がない。

 和歌山県と白浜町以南の沿線8自治体、JR西日本、和歌山大学は2022年、紀勢本線活性化促進協議会内に新宮白浜区間部会を設置し、利用促進策の検討に入った。

・サイクルトレイン(自転車をそのまま持ち込める鉄道サービス)
・観光列車の運行
・団体利用への運賃補助

などの対策を打ち出してきたが、まだ効果は見えない。

 沿線の一部自治体から「この人口減少下で利用増は困難」と厳しい見方が出るなか、部会の事務局を務める新宮市企画調整課は

「沿線で実施したアンケート調査を分析し、新しい施策を検討したい」

とあきらめていない。

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