和歌山県の鉄道「総崩れ」の危機? 年間30億円の赤字垂れ流し区間も! 人口維持さえ難しい現状、国への要望だけで路線を守れるのか

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和歌山県を走る鉄道は、急激な人口減少と車社会の進行で利用者が減り、危機的な状況に陥っている。特に、利用促進の協議が進められているJRきのくに線の白浜以南は、将来が不安視されている。

私鉄路線も厳しい状況に

和歌山市内を走る和歌山電鐵の列車(画像:高田泰)
和歌山市内を走る和歌山電鐵の列車(画像:高田泰)

 和歌山県内で経営が厳しい路線はきのくに線の新宮~白浜間だけでない。南海電鉄高野線の紀伊清水駅(橋本市)以南や和歌山市を走る加太線、和歌山港線、御坊市の紀州鉄道、和歌山市と紀の川市を結ぶ和歌山電鐵の貴志川線も苦しい状況に追い込まれている。

 南海加太線の駅別1日平均の乗降客数は2023年度で127~1293人。1日1万人以上の乗降客を持つ駅が並ぶ南海本線に比べ、1~2けた少ない。和歌山港線や高野線の紀伊清水駅以南も同様だ。

 紀州鉄道は年間数千万円程度の赤字を計上している。運営する東京都の不動産開発会社は赤字を

「企業イメージ向上の宣伝費」

と割り切っているが、踏切など安全施設の更新も苦しいという。ネコの駅長で注目を集めている和歌山電鐵は、2023年度決算の純損失が約1400万円。決して安心できる経営状態ではない。

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