JALと提携! アラスカ航空が遂に「長距離路線」へ舵を切る理由! 堅実エアラインの転機とは?
アラスカ航空は90年以上の歴史を持ち、堅実なビジネスモデルで米国航空業界に独自の地位を築いてきた。短距離路線への集中や効率化を強みに成長を続けてきたが、競争の激化や長距離路線の不足といった課題も浮上している。ヴァージン・アメリカの買収やワンワールドへの加盟を経て、今後の持続的な成長には、西海岸需要の確保と機材運用の最適化が鍵を握る。
冷戦時代に広がる路線網

アラスカ航空の歴史は、1932年にアラスカ州で設立された
・マクギー・エアウェイズ(McGee Airways)
・スター・エアサービス(Star Air Service)
というふたつの航空会社に始まる。両社は1935年に合併し、スター・エアサービスがマクギー・エアウェイズを買収した。その後、1944年に現在のアラスカ航空の名前に改名し、チャーター便を中心に運行する航空会社として成長を遂げた。
第二次世界大戦後、アラスカ航空は軍用機材を活用し、イエメンのユダヤ人をイスラエルに帰還させる事業に参加するなど、事業を拡大した。1952年にはアンカレッジ~シアトル線の運行権を獲得し、アラスカ州から本土へと路線を広げた。その後、財務危機を迎えることもあったが、
・競合他社の買収
・機内サービスの改善(映画やミュージカルの提供)
などで集客を増やし、事業を拡大した。アラスカ州内のパイプライン建設に必要な資材運搬業務を手掛けることで、同州での地位を確立した。また、この時期、冷戦の最中にアラスカからソビエトへの定期チャーター便も運行されていた。