高速道路「ハイウェイめし」ブームは定着するか? SNS投票が示す、1000億円市場の“映え依存”リスク

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全国125品が競う「第2回ハイウェイめし甲子園」は、SNS投票を組み合わせ、SA・PAを通過点から目的地化。年間1000億円規模の高速道路市場を舞台に、移動体験と地域経済をつなぐ新たな消費モデルを示す。

SA・PAの目的地化

「ハイウェイめし」のイメージ(画像:写真AC)
「ハイウェイめし」のイメージ(画像:写真AC)

 2025年10月、NEXCO東日本と同社グループ会社が主催する「第2回ハイウェイめし甲子園」が開幕した。全国のサービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)から125品が出場し、投票によって「No.1ハイウェイめし」を決定する。初回の開催時には販売数が約60万食に達し、今回もSNS投票を組み合わせた全国規模のイベントとして注目を集めている。

 この動きの背景には、SA・PAの役割が従来の休憩と給油の場から

「目的地の一部」

へと転換しつつある現状がある。近年のSA・PAでは、食事提供にとどまらず、施設の

・デザイン
・内装
・座席配置
・季節の装飾

など、訪れる人の体験価値を意識した工夫が見られるようになった。家族連れやカップル、友人グループが立ち寄ることで、旅の中継点として楽しむ姿も目立つ。従業員や店舗スタッフも、顧客の体験価値を高める接客や案内を意識するようになり、施設全体が移動そのものを楽しむ空間として成熟しつつある。

 NEXCO東日本は近年、「ENJOY!よりみち」をスローガンに掲げ、地域の食材や観光資源を組み合わせた体験型プロモーションを展開してきた。ドライブ自体を楽しむ消費行動の形成、いわば“移動のエンターテインメント化”を狙う施策であり、SA・PAが通過点から、旅の目的地の一部として位置づけられるようになっている。

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