機体空中分解で102人死亡! 規制緩和が生んだ史上最悪の航空会社、インドネシア「アダム航空」をご存じか
インドネシア航空市場の急成長の裏に潜む「アダム航空」の闇。急拡大する中で安全性を軽視し、2007年の重大事故で102人の命を奪った。事故原因とその後の不正が明らかになると、業界全体に深刻な影響を与え、EUからの飛行禁止処分が下された。
規制緩和の影に潜むリスク

筆者(前林広樹、航空ライター)は、
「航空市場の自由化」
には基本的に賛成している。さまざまな航空会社が競い合う環境が整えば、価格だけでなく、マイレージやサービスなど、多様な選択肢が生まれ、市場全体の発展につながるからだ。さらに、保護主義(政府が市場に介入し、制限や規制を設ける経済政策)が過度に行き過ぎると、高コスト体質が定着し、かえって市場の発展を妨げることになる。
「経営破綻前の日本航空」
がその典型例である。しかし、規制緩和には、参入する各社が安全性という絶対的な基準を満たしていることが前提であるべきだ。今回のアダム航空のような事例は、絶対に繰り返してはならない。
インドネシア航空市場の競争力強化を目的として始まった自由化も、アダム航空のようなずさんな会社の参入を許した結果、EU乗り入れ禁止という事態を招き、自国の航空会社の市場競争力を失わせることとなった。
規制緩和という言葉は一見するとよいことに思えるが、
・対象となる規制が何の目的で存在し
・緩和後のリスクをどう管理するか
をしっかり考えなければならない。このことを今回の事例が教えている。
・従業員の酷使
・事故対応の放棄
・安全性の軽視
アダム航空は、史上最悪の航空会社のひとつといっても過言ではないだろう。このような会社は、二度と存在してはいけない。