高速道路無料化、なぜこんなに遅い? 2115年まで待つ? その理由と課題を考える
高速道路無料化、実現は遠い未来なのか。1963年に名神高速が開通して以来、半世紀以上の時を経て、無料化の計画は何度も延期され続けている。2023年、政府はその実現を「2115年」に先延ばし。現状と課題を探る。
避けられぬ老朽化問題

高速道路は誕生から50年以上がたち、現在新たな深刻な問題が浮上している。それが、高速道路の老朽化だ。高速道路は毎日休むことなく稼働しているため、路面や施設が年々劣化し、修繕や改築が必要となっている。
老朽化は各路線で進行しており、特に古く開通した路線では、工事の回数や期間が増えてきている。近年では、NEXCOが事前に工事の区間や期間を発表し、利用者に迂回や利用時間帯の変更を案内している。
老朽化による工事費用は予想以上に高額で、2022年12月には、
・首都高:約3000億円
・NEXCO:約1兆円
の追加費用が必要だと発表された。このような老朽化問題も、高速道路無料化延長の一因となっているが、既存の高速道路を安全に利用し続けるためには避けられない課題である。