東海環状道「全線開通」で中京圏経済変貌? 大垣~四日市間「20%短縮」、企業進出は大加速するのか?

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東海環状道の全線開通が2026年度に迫り、岐阜県、三重県を中心に大きな経済効果が期待されている。全線開通後、岐阜県の大垣市から四日市市までの所要時間が22%短縮され、物流コストは約1274億円削減される見込みだ。企業活動や設備投資の加速も予想され、地域経済を活性化させる重要なカギとなる。

東海環状道が間もなく全線開通

東海環状道の風景(画像:写真AC)
東海環状道の風景(画像:写真AC)

 高速道路ネットワークは急速に拡大しており、そのなかでも中京圏の東海環状自動車道(東海環状道)は順調に進んでおり、2026年度には全線が開通する予定だ。

 東海環状道は、愛知県の豊田東ジャンクション(JCT)を起点に、岐阜県を経由して三重県の新四日市JCTで終点を迎える、全長約153kmの環状高速道路だ。中京圏の交通の重要な部分を担っている。

東海環状道は、次の主要な高速道路と接続している。

・東名高速道路(東名)
・新東名高速道路(新東名)
・中央自動車道(中央道)
・東海北陸自動車道(東海北陸道)
・名神高速道路(名神)
・新名神高速道路(新名神)

これらの高速道路を結ぶため、中京圏内での移動には非常に便利な道となる。実際、東海環状道沿線地域では、約7割の人々が全線開通を期待しているというデータもあり、企業活動や物流の効率化に対する期待が高まっている。

 今回は、東海環状道の全線開通がもたらす効果や影響について詳しく掘り下げてみる。

全長153kmへの最終章

東海環状道の路線図と建設計画(画像:国土交通省)
東海環状道の路線図と建設計画(画像:国土交通省)

 東海環状道は、2005(平成17)年3月に豊田東JCT~美濃関JCTが開通したことから、徐々に開通区間を伸ばしてきた。2024年11月時点、全長の約7割にあたる約110kmが開通しており、すでに東名、新東名、中央道、東海北陸道と接続されている。

 残りの未開通区間は以下のとおりで、開通予定が決まっている。

・2024年度:山県インターチェンジ(IC)~大野神戸IC(架橋工事で遅れが生じる可能性あり)、北勢IC~大安IC
・2026年度:養老IC~北勢IC

全線が開通すれば、岐阜県から三重県まで東海環状道が1本でつながることになる。

 豊田東JCT~中央道との接続ポイントである土岐JCT、そして東員IC~終点の新四日市JCTは、片側2車線の通行が整備されているが、それ以外の区間は基本的に暫定2車線の片側1車線で通行されている。ただし、今後は順次、片側2車線化を進めるための拡張工事が行われている。

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