転生したら「東京モノレール」だった件
1964年の東京オリンピックに合わせて開業し、還暦を迎えた今でも静かでスムーズな乗り心地が魅力だ。しかし、京急空港線の台頭や2031年に開業予定の新アクセス線の影響で、その立場も変わりつつある。
自己紹介

吾輩は東京モノレールである。名前はあるといえばあるし、ないといえばない。世間一般的に、東京モノレールと呼ばれている。ある朝、なにか気がかりな夢から眼をさますと、吾輩が寝床の中で東京モノレールに変わっているのに気づいた。
元は人間だったが、気づけば羽田への足として、あるいは沿線の足として日々走り続けている。今回は吾輩の視点から、東京モノレールとしての自分を評価していこうと思う。
これは新たな車両評論のスタイルである。“マジガチ”のコメントはくれぐれもお控えください。
※ ※ ※
吾輩は、モノレール浜松町駅と羽田空港第2ターミナル駅を結ぶ17.8kmの路線を、空港快速の時は18分、普通でも24分で駆け抜けている。
こうして所要時間を見ると意外と速く、ライバルである京急のエアポート快特の品川から空港までの14分と引けをとらない。しかも、平日の朝のラッシュ時には4分間隔、昼間と夕方のラッシュ時は5分間隔で走っており、速度・フリークエンシーともに日本一のモノレールだ。
ちなみに誕生日は1964(昭和39)年9月17日で、2024年で
「60歳」
を迎えた。人間でいえば還暦であり、赤いちゃんちゃんこを着せられることはなかったものの、開業時の塗色にラッピングしてもらうなどさまざまなイベントが開催されて、盛大に祝ってもらったのはうれしいかぎりだ。