高速道路無料化、なぜこんなに遅い? 2115年まで待つ? その理由と課題を考える
高速道路無料化、実現は遠い未来なのか。1963年に名神高速が開通して以来、半世紀以上の時を経て、無料化の計画は何度も延期され続けている。2023年、政府はその実現を「2115年」に先延ばし。現状と課題を探る。
50年を超える高速道路の変遷

高速道路は、初めての路線が開通してから半世紀以上が経過した。
日本で最初の高速道路は、1963(昭和38)年に初めて開通した名神高速道路で、1965年には全線が開通した。その後、1968年に初めて開通した東名高速道路も、1969年に全線が開通した。この2路線は、計画から建設が順調に進んだことに加え、沿道の人口が多かったため、優先的に建設されて開通に至った。
その後、各地方の主要な路線や、主要路線同士をつなぐ路線が次々と開通し、多様な目的で新しい路線が誕生してきた。私自身、高速道路を利用するようになったのは1990年代からだが、その頃に比べると、路線の数はもちろん、路線同士をつなぐジャンクション(JCT)の数も劇的に増えた印象がある。
年々広がる高速道路ネットワーク。しかし、高速道路の無料化に関しては、
・名神開通から「25年」
・東名開通から「23年」
という約束があったにもかかわらず、いまだに有料のままである。これは一体どういうことなのだろうか。