高速道路無料化、なぜこんなに遅い? 2115年まで待つ? その理由と課題を考える

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高速道路無料化、実現は遠い未来なのか。1963年に名神高速が開通して以来、半世紀以上の時を経て、無料化の計画は何度も延期され続けている。2023年、政府はその実現を「2115年」に先延ばし。現状と課題を探る。

10回延長された無料化計画

延長化のイメージ(画像:写真AC)
延長化のイメージ(画像:写真AC)

 当初、高速道路は借金で建設され、その返済が完了した後に無料化される予定だった。しかし、計画通りには進まず、無料化の時期は何度も延長されてきた。国土交通省によると、これまでに10回もの計画延長が行われたという。

 その背景には、日本の高速道路の料金制度

「料金プール制」

が関係している。この制度では、1路線ごとに料金の収支を分けるのではなく、高速道路全体で収支を管理する。これにより、例えば名神や東名で得た収入を他の路線の建設費用に充てることができ、現在の広大な高速道路ネットワークが築かれた。

 しかし、当初の計画では借金返済が予定通り進むはずだったが、実際には返済が遅れ、逆に高速道路の借金は年々膨らんでいった。そのため、無料化は何度も延期されることとなった。

 また、小泉政権時代には「日本道路公団」の慢性的な借金問題が取り上げられ、2005年には高速道路事業が民営化され、NEXCOが誕生することとなった。

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