昭和ノスタルジーだけじゃない! 「ドライブイン」がサービスエリアのフードコートを凌駕する根本理由

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高速道路のSA・PAのフードコート(FC)が主流になりつつある一方で、減少傾向にあるドライブインには今も根強い魅力がある。2000年代以降、FCは利便性や快適性を追求して現代のニーズに応えているが、地元の食材を活かし地域に密着した価値を提供するドライブインの「本質的な強み」は変わっていない。たとえば、千葉の猟師工房ドライブインや群馬の草木ドライブインなど、観光資源としても輝く新しい価値がある。FCとドライブイン、あなたならどちらを選ぶ?

2005年以降進化したFCの実力

ドライブイン(画像:写真AC)
ドライブイン(画像:写真AC)

 一方、FCは、特に2005(平成17)年の道路公団民営化を契機に大きく進化した。かつてのSAやPAは、

・トイレが汚れ
・食堂は薄暗く
・食事も値段の割に特別なものはない

のが普通だった。

 現在のようなFCが本格的に普及し始めたのは、民営化後のことだ。民営化された高速道路会社では、ハイウェイポスト(意見箱)やコールセンターに寄せられた意見や要望をもとに、施設の充実を進めてきた。その結果、トイレとともに大幅に改善されたのが食堂であり、FCという形態が登場した。実際、FCという言葉が高速道路で使われるようになったのも民営化後である。

 明るく快適になったFCでは、地域の名産を活かしたメニューやご当地料理が登場し、全国各地で人気のSAが生まれるきっかけとなった。かつての暗くて不便な施設は、快適な飲食・休憩空間へと生まれ変わり、運転途中のくつろぎの場となった。広い駐車スペースや、複数のサービスを提供する施設など、利便性の向上は目覚ましい。

 しかし、それでもFCはドライブインの強みを超えることはできないと筆者は考えている。

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