昭和ノスタルジーだけじゃない! 「ドライブイン」がサービスエリアのフードコートを凌駕する根本理由

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高速道路のSA・PAのフードコート(FC)が主流になりつつある一方で、減少傾向にあるドライブインには今も根強い魅力がある。2000年代以降、FCは利便性や快適性を追求して現代のニーズに応えているが、地元の食材を活かし地域に密着した価値を提供するドライブインの「本質的な強み」は変わっていない。たとえば、千葉の猟師工房ドライブインや群馬の草木ドライブインなど、観光資源としても輝く新しい価値がある。FCとドライブイン、あなたならどちらを選ぶ?

FCの効率重視、味の制約

サービスエリア(画像:写真AC)
サービスエリア(画像:写真AC)

 いくつかの重要な点について考えてみよう。

 まず、提供される食事の質の違いに注目したい。FCでは、基本的にファーストフードや定食など、

「限られたメニュー」

しか提供されていない。確かに最近ではご当地メニューを取り入れる試みも増えてきているが、それでも本質的な差は依然として存在している。なぜなら、これは単に

「メニューの種類が少ないという問題」

ではないからだ。FCでは効率性が重視され、調理はマニュアル化されている。そのため、ご当地メニューを提供しても、最終的には

・画一的な調理法
・長期保存を考慮した食材選定

に制約されてしまう。

 一方、ドライブインでは、小規模であるがゆえに、個性が光る。地元の生産者から新鮮な食材を調達し、その日の状態に応じて臨機応変に調理するため、

・味そのもの
・体験

の両面で優れた価値を提供している。このように、FCがどれだけ品数を増やしても、ドライブインが持つ本質的な強みには及ばないのだ。

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