東洋の精神性とアドベンチャーツーリズム【短期連載】なぜいま岡倉天心なのか(3)
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アドベンチャー・ツーリズムが注目を集めるなか、岡倉天心が守ろうとした日本の文化財、特に「茶の湯」が再評価されている。この旅行スタイルでは、伝統文化の深い精神性を体験でき、地域の自然や文化を学びながら自己変革を促すことができる。また、観光業の成長にも貢献しており、2023年にはアドベンチャー・ツーリズム市場が76兆円規模を超えた。日本では金沢や東北海道などで新たな文化体験が提供され、外国人観光客の関心を集めている。
精神的価値を見つける旅

一方、台湾のアドベンチャー・ツーリズムにおいても、茶の文化が注目されている。
例えば、台北市内の閑静なエリアに位置する茶芸館「竹里館」で、館主の黄浩然氏が自家焙煎した上質なウーロン茶をゆっくりとした時間の流れのなかで楽しむという体験型ツアーだ。
アドベンチャー・ツーリズムによって外国人観光客が、日本の地域の魅力を発見し、それによってそこに住んでいる人も、自分たちの地域の魅力を再発見する。
アドベンチャー・ツーリズムの拡大は、東洋人自身がその
「精神的価値を再発見する契機」
になるのかもしれない。