「ご当地グルメ」最高! 地元の味で地域を再生する「ガストロノミーツーリズム」をご存じか

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ガストロノミーツーリズムは、地域の食文化を活かして観光業を活性化させる可能性がある。インバウンド需要が増えている日本では、食の魅力を活かした地方創生が進み、交通や雇用の促進にも繋がっている。特にバスク地方や神崎町の成功事例が注目されており、今後は英語対応などの受け入れ体制を強化することが重要になるだろう。

日本のポテンシャル

ガストロノミーツーリズムのイメージ(画像:Pexels)
ガストロノミーツーリズムのイメージ(画像:Pexels)

「ガストロノミーツーリズム」という言葉を聞いたことがあるだろうか。観光庁のウェブサイトには、「その土地の気候風土が生んだ食材・習慣・伝統・歴史などによって育まれた食を楽しみ、食文化に触れることを目的としたツーリズムのこと」とある。

 旅とご当地の食はもともと密接に結びついているが、食を中心に、そのバックグラウンドにより注意を払うイメージだろうか。

 その土地ならではの食を求める人が増えれば、食材の需要、加工の需要が増える。すると雇用需要が増えるし、交通需要も増えて、地域の経済が活性化される。観光名所がない土地であっても、人を呼び込む強力なコンテンツを創出する可能性を秘めている。

 国連世界観光機関(UNWTO)がガストロノミーツーリズムを推進していることもあり、特にインバウンドのなかで語られることが多い。もともと食の分野に定評のある日本は、ポテンシャルにあふれているのではないか。

 2024年9月の訪日外客数は287万2200人だった。9月時点ですでに2023年の年間累計を上回っている(2024年10月16日付、「日本政府観光局(JNTO)」)。

 コロナ禍前の2019年の1月~9月と比べ、2024年の1月~9月は10.1%伸びていることからも、インバウンドの重要性は増す一方である。

 ちなみにインバウンドのなかで、食や地方への移動にお金をかけていると考えられる国民は、

・飲食費トップ:イタリア人(9万1949円)
・交通費トップ:スペイン人(7万2521円)

である(2024年7月19日付、観光庁「2024年4-6月期一般客1人当たり費目別旅行支出(観光・レジャー目的)、一次速報」)。

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