エアアジアのインド市場撤退! 「LCC戦争」敗北の理由とは何だったのか? 過去栄光の落とし穴を再考する

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エアアジアが日本とインド市場から撤退したのは、過信と市場特有の課題を見誤ったためだ。競争の激化や規制環境への適応不足が影響し、成功を再現するためには慎重な戦略が必要だと証明された。

成功体験が招いた誤算

エアアジア・インディアのエアバスA320(VT-APJ)「カバリ」塗装(画像:Venkat Mangudi)
エアアジア・インディアのエアバスA320(VT-APJ)「カバリ」塗装(画像:Venkat Mangudi)

 今回のエアアジア・インディアの記事を執筆して感じたのは、一度の成功体験が逆に判断を誤らせることがあるということだ。

 エアアジアは、マレーシアをはじめとする東南アジアではトップブランドとして確立しており、最大拠点であるクアラルンプール国際空港ターミナル2には、エアアジアの赤い航空機が多く駐機している姿が見られる。

 しかし、東南アジアでの成功体験があまりにも強烈だったため、同社は「経済規模の大きな日本やインドならもっと成功できる」と思い込んでしまったのではないか。

 そのため、設立に必要な合弁相手の事情や競合分析、ターゲット設定が不十分なまま進出し、結果的に両国では10年もたたずに撤退を余儀なくされてしまったと考えられる。

 ビジネスを拡大するチャンスがあるときこそ、一度の成功体験にとらわれず、徹底的に分析して状況を把握しながら進出することが大切だと改めて思わされる。エアアジア・インディアの失敗は、そのことを教えてくれるのではないだろうか。

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