エアアジアのインド市場撤退! 「LCC戦争」敗北の理由とは何だったのか? 過去栄光の落とし穴を再考する

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エアアジアが日本とインド市場から撤退したのは、過信と市場特有の課題を見誤ったためだ。競争の激化や規制環境への適応不足が影響し、成功を再現するためには慎重な戦略が必要だと証明された。

日本と共通する失敗要因

エアアジア・インディアのA320-200(画像:Venkat Mangudi )
エアアジア・インディアのA320-200(画像:Venkat Mangudi )

 エアアジアは、マレーシアを拠点に、タイ、インドネシア、フィリピン、カンボジアにもグループ会社を展開している。

「Now Everyone Can Fly(今や誰もが飛べる)」

というスローガンで、格安運賃を提供し、飛行機に乗る機会がなかった人々から人気を集めた東南アジアの“最強”格安航空会社(LCC)として知られている。

 そして、東南アジアを基盤に、さらにマーケットシェアを拡大するために日本とインドに進出したが、両国ではシェアを伸ばすことができず、撤退を余儀なくされた。

 特に日本では、

・ANAとの合弁による対立
・LCCに不慣れな日本人向けの配慮不足
・わかりにくいウェブサイト
・国との交渉の難航

などが影響し、シェアを伸ばせなかった。進出を2度行ったが、いずれも撤退している。この経緯については、多くの読者がすでに知っているだろう。

 では、なぜ人口も多く、経済成長を続けるインドでも失敗したのだろうか。調べてみると、日本での失敗と共通する問題が多かったことがわかる。この記事では、その問題を簡単に解説する。

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