公共交通で「タッチ決済」が急成長! ぶ厚い“クレカの壁”を打破するのはデビットカードなのか?
公共交通でクレジットカードのタッチ決済が進んでいるなか、デビットカードが「救世主」として期待されている。2015年にはビザデビットの発行銀行が10行だったが、2024年には41行に増加し、発行枚数も2500万枚を超えた。タッチ決済は地域住民の利便性を向上させ、相乗効果で公共交通に新しい決済手段が広がる可能性がある。
地元民との「支払い格差」

バスや鉄道でのクレジットカード「タッチ決済」対応が急速に進んでいる。このタッチ決済という表現は日本特有で、英語では「tap and go payment」や「tap」と表現される。海外ではパンデミック前から非接触型のクレジットカード決済が広く普及していた。
COVID-19のパンデミックが収束すると、日本でもインバウンド需要を見越して公共交通にタッチ決済の導入が加速した。しかし、公共交通は基本的に
「地元住民の足」
だ。インバウンド対応のためにタッチ決済を導入すると、地元住民間で決済方法に格差が生まれる可能性がある。特にクレジットカードは誰でも持っているわけではなく、高齢者や学生にとってはハードルが高い決済手段だ。そのため、地元住民にとっては
「必須ではない」
「導入を急ぐ必要はない」
と感じられるかもしれない。しかし、デビットカードの普及を考えると、この見方は大きく変わるかもしれない。
デビットカードはクレジットカードに似た支払い用カードで、買い物などに使うと銀行口座から即時に引き落とされるのが特徴だ。クレジットカードが翌月払いなどの後払い対応なのに対し、デビットカードはその場で口座残高から直接引き落とされる
「即時決済型」
のカードだ。銀行口座さえあれば作りやすく、年齢制限や信用審査もほとんどないため、特に学生や高齢者にとって使いやすいカードとして広まっている。さらに、クレジットカードのように借金の心配がないので、支出管理を重視する人にも人気がある。