消えた巨星「トランス・ワールド航空」 96年墜落事故と自由化の波に呑まれた栄光の終焉を振り返る
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米国航空史の象徴であるトランス・ワールド航空は、ハワード・ヒューズのもとで飛躍的に成長した。しかし、1978年に航空自由化が進むと急速に衰退していった。1996年には大事故が発生し、その後も経営破綻が続いた結果、2001年にアメリカン航空に吸収された。
悲劇が引き起こした名声の失墜

TWAにとって、最悪の瞬間が訪れたのは1996年7月17日のことだ。
ニューヨークからパリへ向かっていたTWA800便のB747が電気回路のトラブルを起こし、ニューヨーク近海で空中分解してしまった。この事故により、乗員乗客230名が亡くなり、TWAの名声は失墜した。
その後、2001年4月には3度目の経営破綻を迎え、アメリカン航空が救済に名乗り出てTWAを吸収することになった。大西洋を中心に名をはせ、多くの新鋭旅客機の開発に関わってきた名門TWAは、2001年12月1日に運行を停止した。
アメリカン航空はTWAの主要ハブであったセントルイス空港をしばらくの間拠点として利用していたが、2009年にはハブ空港としての運用を終えた。