消えた巨星「トランス・ワールド航空」 96年墜落事故と自由化の波に呑まれた栄光の終焉を振り返る
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米国航空史の象徴であるトランス・ワールド航空は、ハワード・ヒューズのもとで飛躍的に成長した。しかし、1978年に航空自由化が進むと急速に衰退していった。1996年には大事故が発生し、その後も経営破綻が続いた結果、2001年にアメリカン航空に吸収された。
名門航空の栄枯盛衰

米国は世界最大級の航空市場を持っている。現在でも、デルタ航空、アメリカン航空、ユナイテッド航空の3強が中心となり、サウスウエスト航空、アラスカ航空、ジェットブルーなどがしのぎを削っている。しかし、かつてはさらに多くの航空会社が存在し、競い合っていた歴史がある。
消え去った航空会社のなかで、米国の航空史を語る際に欠かせないのが
「トランス・ワールド航空(TWA)」
である。この航空会社は、大富豪であり飛行家でもあるハワード・ヒューズの情熱のもと、ターボプロップ機が主体の時代に航空業界をリードしていた。1970年代まで北米大陸や大西洋路線を中心に運行し、米国屈指の名門航空会社として君臨していた。
しかし、1978年に始まった航空自由化の影響で一気に衰退する。大事故にも見舞われ、最終的にはアメリカン航空に買収されて消滅する運命をたどった。ということで、今回はTWAの栄光と消滅への軌跡をたどってみよう。