電動キックボードが嫌われる「本当の理由」とは? 大学教授が解説、規制緩和がもたらす都市交通の「多重的なジレンマ」とは
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街中で急増している電動キックボードは、Luupのシェアサービスが全国に広がり、都市の移動手段として注目されている。免許不要で手軽に利用できる反面、安全性や規制の問題も出てきている。公共交通を補完する役割を果たしつつ、事業者はルールの周知やマナー向上にも力を入れる必要がある。
利益と公共性の綱渡り

ただし、それが民間事業である限り――逆にいえばなんらかの形での公営化や高度な支援・補助が無い限り――その利用や管理のコストは事業の利益で賄える必要がある。都市空間に広がる車両を常に良好な状態に保つことは容易ではない。
また、他の交通手段と同様に、ルールやマナーを学ぶ問題は解消されない。特に歩行者や自動車運転者にとって、電動キックボードは歩道でも車道でも嫌われがちであり、この問題はこれまでの自転車利用から引き継がれている。電動キックボードはさらに厳しい批判にさらされるだろう。
建物の隙間に設けられたポートの占有や利用権の管理は複雑で、交通手段の間に位置する電動キックボードは、多様な制度や空間、技術の中間領域を揺れ動くモビリティであるため、対立や摩擦、危険をもたらす構造的な理由がある。
このため、事業者は事業を続ける限り、さまざまなクレームに対応し、ポートや車両の緻密な管理、監視、整備、ルールやマナーの啓発に辛抱強く取り組まなければならない。「LUUPの安全・安心アクションプラン2024」は、その姿勢を示すものだろう。
このようなマイクロモビリティ事業には、火中の栗を拾うような勇気が求められる。その成否は、交通にともなう利益の確保と公共性の維持というジレンマに、どのように安定的に対応するかにかかっている。