電動キックボードが嫌われる「本当の理由」とは? 大学教授が解説、規制緩和がもたらす都市交通の「多重的なジレンマ」とは

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街中で急増している電動キックボードは、Luupのシェアサービスが全国に広がり、都市の移動手段として注目されている。免許不要で手軽に利用できる反面、安全性や規制の問題も出てきている。公共交通を補完する役割を果たしつつ、事業者はルールの周知やマナー向上にも力を入れる必要がある。

都市で交錯する新旧モビリティ

電動キックボード(画像:写真AC)
電動キックボード(画像:写真AC)

 電動化以前のキックボードは、「キックスケーター」とも呼ばれ、日本では子ども用の遊具としてのイメージが強かった。実際、経済産業省のグレーゾーン解消制度によれば、キックスケーターは道路交通法上の軽車両に該当せず、利用者は

「歩行者」

として扱われている。つまり、ローラースケートやスケートボードと同じく、実質的には遊具といえる。

 ただし、これらの遊具は道路交通法76条4項3号によって「交通のひんぱんな道路」での使用が禁止されている。取り締まりにはあいまいな部分があるが、特にスケートボードは公共空間で禁止看板が多く見られる「迷惑行為」として知られている。

 1990年代以降、ストリート系のスケートボードが都市空間に広がるとともに、「スケボー禁止」の看板も増えていった(田中研之輔、2016年『都市に刻む軌跡』新曜社。60)。2010年前後になると、スケートボードはストリートから「専用パーク」という施設に移行していった。一方、電動キックボードはストリートに広がっていくことになった。

 すでに、電動キックボードの危険性に対する批判は多く、海外での規制強化も影響している。それに加えて、

「バイクと自転車」
「歩道と車道」

の間をゆらぎながら――増加の一途に――ひた走っていくことに対する不安でもあるようにも見える。

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