長崎・熊本・鹿児島の「この場所」に、なぜ橋を作らないのか?

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「三県架橋」構想は、天草の交通アクセスを劇的に改善し、経済活動を促進する鍵となる。歴史的文化が根付く天草市は、漁業や商業が活発だが交通の不便さが課題。橋の建設により、観光客の増加や地元産品の流通が期待され、地域経済のさらなる発展が見込まれる。

人口減少加速する島原半島

鬼池~口之津港間は物流ルートになっているため、日中でも多くの利用者がいる。2020年撮影(画像:碓井益男)
鬼池~口之津港間は物流ルートになっているため、日中でも多くの利用者がいる。2020年撮影(画像:碓井益男)

 このような厳しい現状を変えるものとして期待されているのが、冒頭で述べた

「島原・天草・長島架橋構想」

いわゆる「三県架橋」だ。この歴史は1978(昭和53)年に始まり、鹿児島県の総合計画に長島と天草を結ぶ架橋建設が盛り込まれたことがきっかけだ。その後、1986年に熊本県でも「鬼池~口之津橋」と「牛深~長島架橋」の構想が表明された。さらに1987年には長崎県も長期構想に「島原半島~天草連絡システム構想」を加えた。このように、40年以上前から三県の協力のもとで構想が進められてきた。

 三県架橋の意義は、単なる交通インフラの整備を超えて、

「広域的な地域振興」

にある。この架橋が実現すれば、長崎市から鹿児島市までの車での所要時間が約7時間から

「3時間15分」(54%減)

に短縮されることになる。つまり、新たな幹線が生まれることになるが、この効果は天草だけでなく、対岸の長崎県島原半島にとっても大きな意味を持つ。

 南島原市は島原半島の南端に位置し、長崎自動車道・諫早インターチェンジ(IC)まで車で約1時間もかかる。公共交通機関も少なく、島原鉄道の市内部分は2008(平成20)年に廃止されてしまい、外部との接続は雲仙市や諫早市との間のバス程度だ。つまり、

「交通利便性から見放された土地」

となっているのだ。その結果、人口減少と高齢化が加速度的に進行している。2023年10月1日時点での総人口は3万9543人で、前年の4万465人から減少しており、65歳以上の人口は1万6952人に達している。

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