旅客機「借りパク」問題だけじゃない! ウクライナ情勢が落ち着いても「航空業界」は前途多難すぎるワケ
ウクライナ情勢がコロナ禍の航空業界へさらなる打撃。事態が鎮静化しても前途多難。ロシア上空を避ける動きが活発化し、国際線は欠航し早期再開も見込めない。ロシアへの物流がほぼ全面ストップし、航空部品の提供も事実上止まっている。
ロシア上空飛行禁止の影響

ロシアがウクライナへ侵攻したことで戦争が起き、航空業界にも多大な影響を及ぼしている。まず、ウクライナを支持する西欧諸国の航空会社がロシア上空の飛行を禁じられ、日本をはじめとするその他の国々も、ロシア上空を避ける動きが活発化している。
その結果、通常はロシア上空を飛んでいたヨーロッパと東アジアを結ぶ航空便が最も影響を大きく受け、コロナ禍以上の欠航便数となっている。
運航便が少なくなると、旅客便は運賃が高騰し、貨物便では荷物の配送遅れが生じる。しかも、現在運航するロシア上空を避ける便は、運航時間が通常より少なくとも数時間多くかかっている状況だ。
さらに、ロシアからの輸入が事実上ストップしているだけでなく、例えば、日本郵便による一部のヨーロッパ行き郵便も
「今般のウクライナの情勢不安を受け、下表に掲げる国・地域への送達手段が確保できなくなったことから、船便以外の引き受けを停止いたします」(日本郵便ウェブサイト)
との理由で一時停止するなど、物流への影響も大きい。
ウクライナでの事態が早期収束する気配は、今のところ見られない。航空業界への主な影響やその理由、今後起こりうる事態などを解説する。